第4回 夜勤中、判断に迷ったときに大切にしていること

 

※この記事は、夜勤リーダーとして働く中での経験や考えをもとにまとめた学習メモです。
病棟の体制や判断は施設や状況によって異なりますので、実際の対応については必ず所属施設のルールや主治医の指示に従ってください。

 

 

夜勤中は、
「このまま様子を見ていいのか」
「医師に連絡したほうがいいのか」
と迷う場面が少なくありません。

特に、みとりの患者さんが多い病棟では、
検査や積極的な治療を行わない選択もあります。

 

事前に出ている指示があっても、判断に迷うとき

各病院で呼び方は違いますが、
多くの病院では、医師があらかじめ
「このような状態のときには、これを使用してください」
という指示を出してくれていると思います。

いわゆる異常時指示条件付き指示と呼ばれているものです。

ただ、指示が出ているからといって、
すべてをそのまま実施してよいわけではなく、
「今、この状況で医師に報告すべきか」を考える場面もあります。

例えば、発熱時の指示が出ている患者さんの場合です。

発熱を確認したとき、
夜間に医師へ報告したほうがよい状況の一つとして、
敗血症の可能性を考えるときがあります。

その際、病棟で一つの目安として用いているのがqSOFAです。

qSOFAは、

  • 呼吸数
  • 血圧
  • 意識レベル

の3項目で、敗血症の危険性があるかどうかを
ざっくり判断するための指標です。

詳しい説明は省きますが、
私の病棟では、2項目以上該当する場合に医師へ報告するようにしています。

また、発熱に加えて
痛みの増強、呼吸状態の悪化、意識レベルの低下などを認めた場合には、
夜間であっても医師へ報告したほうがよいと考えています。

一方で、みとりの患者さんの場合には、
朝まで様子を見られそうであれば、
主治医が来てから報告し、指示を仰ぐこともあります。

このように、患者さんの状態や背景によって、
対応は一律ではありません。

 

 

特に、みとりの患者さんが多い病棟では、
検査や積極的な治療を行わない選択もあります。

そのため、
「今、このタイミングで相談する必要があるか」
を常に考えながら行動しています。

一人で抱え込まず、
夜勤スタッフと状況を共有し、
必要であれば医師へ相談する。

完璧な判断をすることよりも、
安全につなぐ判断を大切にしています。

 

 

次回は、夜勤を終えるとき、リーダーとして思っていることをお伝えします

夜勤リーダーが身につけておきたい視点(全5回)

※この記事は、夜勤リーダーとして働く中での経験や考えをもとにまとめた学習メモです。
病棟の体制や判断は施設や状況によって異なりますので、実際の対応については必ず所属施設のルールや主治医の指示に従ってください。

 

 

第1回 夜勤リーダーの仕事は、病棟に入った瞬間から始まっている

夜勤リーダーの仕事は、申し送りを受けてから始まる――
以前は私もそう思っていました。

でも実際には、エレベーターを降りた瞬間から、もう夜勤リーダーとしての仕事は始まっていると感じています。

病棟の個室に今日は誰が入っているのか。
廊下にベッドは出ているか、何台あるか。
スタッフの動きは慌ただしいか、落ち着いているか。

それらを無意識のうちに感じ取りながら、休憩室へ向かいます。

休憩室では、夜勤スタッフと顔を合わせ、
「今日はこんな感じかな」「落ち着いてそうだね」
といった何気ない会話が交わされます。

また、仕事が始まる前にお茶を飲みに入ってくるスタッフから、
「今日は○○さんがちょっと大変だったよ」
といった話を聞くこともあります。

こうした一つひとつの情報が、
その日の夜勤全体のイメージを作っていきます。

夜勤リーダーの役割は、
夜になってから対応することだけではなく、
夜になる前から病棟の空気をつかんでおくことなのだと感じています。

 

 

次回は、申し送りは「情報」ではなく「サイン」を受け取る時間をお伝えします

夜勤リーダーが身につけておきたい視点(全5回)

 

第3回 夜勤リーダーが「夜になる前」に考えていること

※この記事は、夜勤リーダーとして働く中での経験や考えをもとにまとめた学習メモです。
病棟の体制や判断は施設や状況によって異なりますので、実際の対応については必ず所属施設のルールや主治医の指示に従ってください。

 

 

申し送りが終わり、夜勤が始まるまでの時間。
この時間に、夜勤リーダーは頭の中で整理をしています。

今夜、動きそうな患者さんは誰か。
転倒・転落のリスクが高い人はいるか。
痰が増えている患者さんは誰か。

そして、必ず確認しているのが
今夜の当直医が誰かということです。

私の勤務する病棟では、
常勤医が当直に入る日もあれば、
バイトの医師が当直に入る日もあります。

以前、夜勤中に患者さんの症状が強くなり、
麻薬の使用を相談したことがありました。

その時の当直医はバイトの医師で、
「この病院での使用許可を持っていない」と言われました。

その経験から、
夜間に判断が必要になりそうな患者さんがいる場合には、
夜になる前に、常勤医へ相談できないかを考えるようになりました。

夜勤リーダーは、
起きてから対応するだけでなく、
起きそうなことを想像し、先回りして考える役割だと感じています。

 

次回は、夜勤中、判断に迷ったときに大切にしていることをお伝えします

夜勤リーダーが身につけておきたい視点(全5回)

※この記事は、夜勤リーダーとして働く中での経験や考えをもとにまとめた学習メモです。
病棟の体制や判断は施設や状況によって異なりますので、実際の対応については必ず所属施設のルールや主治医の指示に従ってください。

 

第2回 申し送りは「情報」ではなく「サイン」を受け取る時間

申し送りは、単なる情報伝達の場ではありません。
夜勤リーダーにとっては、
夜に起こりそうなことのサインを受け取る時間だと感じています。

「今日は痰が増えている」
「そわそわしていて帰りたいと言っている」

こうした一言には、
夜間に注意が必要になる可能性が含まれています。

特に、痰が増えているという申し送りがあった患者さんは、
夜間に吸引回数が増えることも多いため、
夜勤スタッフ全員で意識を共有します。

また、そわそわしている、落ち着かない様子がある場合には、
転倒・転落リスクが高い患者さんとして情報共有を行います。

申し送りで大切なのは、
「すべてを完璧に聞き取ること」ではなく、
夜に気をつけるべきポイントを拾い上げることだと思っています。

 

次回は、夜勤リーダーが「夜になる前」に考えていることをお伝えします